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当法人でできること
③借金の方が多い場合の相続放棄
亡くなられた方のマイナスの遺産のほうがプラスの遺産よりも多い場合にも相続人に相続を強制するのは酷ですよね。そのような場合に、用意されているのが「相続放棄申述」の手続です。
【相続放棄の効果】
◆原則として当初から相続人ではなかったことになります。よって、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないことになります。
しかし、相続放棄の効果は相続人ではなかったことになるとはいうものの、申述受理により相続放棄の効果が裁判手続上確定するわけではありません。すなわち、申述が受理されたとしても、債権者などは放棄の申述をした人につき、放棄を妨げるような事由(例えば、相続財産を処分したことによる相続の承認みなしなど)を主張することが可能ですので、100%安心というわけでないということになります。
ただし、通常の債権者であれば、細かい事情まで知るすべがないことも多いことから、申述が受理されれば、それ以上請求をしてこないことが多いようです。
【相続放棄申述の手続】
◆亡くなられた方の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します。
(必要書類)
・申述人の戸籍謄本
・被相続人の戸籍謄本 など
【注意事項】
◆亡くなられた方につき、その死亡および自分が相続人であること、自己に相続すべき遺産があることを知ってから3か月以内に相続放棄等の手続をしなかった場合は、相続を承認したものとみなされます。
◆亡くなられた方の遺産を使ったりした場合は、相続を承認したものとみなされ、放棄ができなくなってしまいます。
【債権者から請求があったら】
相続放棄申述受理証明書あるいはそのコピーを債権者に提示して支払いを拒絶していくことになります。